「子どもがある程度大きくなるまでは、子育てに専念するのが良い」という話を聞いてキャリアをあきらめた、という人の話をときどき耳にします。

経済的に必ずしも共働きしなくてもいい状況だと、子どもが小さいうちはどうしてもママの方が仕事を辞める、もしくはセーブする場合が多いですよね。ママの希望もあってそのカタチに落ち着いたのであれば何も問題はないですが、「もっと働きたい」「社会とつながりを持ちたい」というママにとって、「乳幼児から保育園に預けてまで働くのは自分のエゴじゃないのか?」と、思い悩んでいる方もいらっしゃるかもしれません。

「子どものために」という思いで、働くことをあきらめるのもひとつの選択です。しかし、それは子どもにとって、ママにとって、本当にベストな選択なのでしょうか?

“3歳児神話”ってホント?


3歳までの時期が重要であることが認知される中で、広く知られるようになった“3歳児神話”というのをご存知でしょうか。「子どもが3歳になるまでは常に家庭で母親が育てないと、子どものその後の成長に悪影響を及ぼす」という考え方です。

“3歳児神話”は専業主婦が普通だった祖父母世代に信仰者が多く、母親が働きに出ることを快く思わない人が少なからずあり、世代間の育児常識のギャップが問題になることもしばしばあります。しかし厚生労働省は10年以上も前の平成10年版厚生白書の中で「三歳児神話には、少なくとも合理的な根拠は認められない」としています。

・大切なのは愛情の質!
この白書では
「戦後、高度経済成長の時期に核家族化が進んでいく中で、母親が一人で子育てに専念することが一般化したこと」
「普遍的なものと受け止められがちな『母親は子育てに専念するもの、すべきも』という考え方は、戦後数十年の間に形成されたに過ぎない」としています。
そして、両親だけでなく保育所や地域社会などの支えも受けながら多くの人の手と愛情の中で子どもを育むことが望ましく、「大切なのは育児者によって注がれる愛情の質」と結論付けています。
つまり、子どもへの愛情をママがすべて背負う必要は必ずしもない、ということです。

子どもとの距離が近すぎると生じる危険性とは?

家に閉じこもって子ども中心の生活になりがちな専業主婦ほど、子育てに強い不安を抱く傾向にあるようです。追いつめられてしまう母親は、得てしてまじめで「~であるべき」と思い込んでしまうことが多く、「子どもが言うことを聞いてくれない」「イライラして子どもを怒鳴りつけてしまった」「しつけも満足にできない自分はダメな母親だ」…などと思いつめてしまうことも多いようです。

しかし母親が子育てにストレスを感じながら子どもと接することは、子どもの心身の健全な発達に好ましいものではありません。また最悪の場合は育児ノイローゼや児童虐待に発展する可能性も否めません。

「子どものため」にそばにいている、という思いが空回りしてしまっては、元も子もありませんよね。

ヨーロッパの子育てから見る子どもとの距離感

さてここで、ヨーロッパでの子育てへの考え方をみてみましょう。
フランスやドイツでは子どもを1人の「人」として扱います。子どもは決して半人前でも未熟者でもないのです。子どもには子どもの「人格」があることを認めることで、子どもが親の思い通りにならないことも、自然に受け入れることができます。
欧米では子供以上に夫婦の関係を大切にしており、小さいうちから子どもと両親の寝室を別にすることが多いようです。また休日には子どもを預けて、夫婦で旅行に行ったりもするそうです。周囲の人に「子どもを置いて出かけるなんて、子どもがかわいそうだ」などと非難されることもありません。

ヨーロッパの子育て方法がすべて正しいわけではありません。そもそも正しい子育てなんてありませんよね。しかし、ところが変われば視点や考え方もまったく異なるのも事実です。「そばにいてあげる」ことだけが、子どもへの愛情のかたちとは限りません。

まとめ

「今しか見られない子どもの成長をそばで見守りたい」という思いは親として当たり前のことですし、それが許される状況で、ママ自身もそれを望むのなら思いっきり育児を楽しみましょう。
でも、「本当は働きたい」という思いがあるのに、まわりの理解が得られない、もしくはなかなか踏ん切りがつかないというママもいるかもしれません。なんだかモヤモヤした気持ちで子どもと向き合い続けるのは辛いですよね。
「子どものために」という考えで、ママの選択肢を狭めるのではなく、色んな考え方があることを知ったうえで、育児とママ自身のライフワークバランスを見つめ直してみてはいかがでしょう?

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