私はキャリアコンサルタントとして、今までに4万人近くの方にお会いして就職の相談などをさせていただいています。

お話をお伺いするのは20代後半から30代後半の女性を中心に50代過ぎの方まで、未経験の仕事に就きたいという方やアルバイトやパートなどの非正規から正社員を希望する方、転職してキャリアアップしたい方など、さまざまな方がいらっしゃいます。
そのなかで時おり、専業主婦の方にお会いすることがあります。

話を聞いていると、結婚出産子育てで何年も、長い方だと十何年も専業主婦をしていたママたちが働こうと思う主な理由は、お子さんの学費とご主人の年収ダウン、この2つが多いように思います。

子どもの学費などこれからかかるお金から考える

文部科学省平成26年度「子供の学習調査」によると、お子さんひとりの年間の学習費は、公立小学校で年34万、公立中学校で48万、公立高校で41万、私立中学校なら134万、私立高校は99万になります。お子さん2人なら、倍ですね。

ちなみに大学4年間のおおよその学費は、国立で240万、私立文系で380万、私立理系は520万と、けっこうお金がかかります。
これは学習費だけなので、どんどん大きくなるお子さんの服や靴、ふえる食費、スマホ代、おこづかいなど、お子さんが大きくなるにつれ、かかる費用も膨らんでいきます。

ご主人も家族のためにと毎日一生懸命働いてくれていることと思いますが、このご時世にご主人のがんばりによる年収アップだけで、お子さんの成長とかかるお金に追いつけるかどうか…。
お子さんのためにもご主人のためにも、ここはママの出番かもしれませんね。

ママが実際働くとしたら?

もし、お子さんが幼稚園に行っている間に、ママが1日4時間、時給1000円で週3日働いたら…
→月4万8千円、年間57万6千円

お子さんが学校に行っている間に、ママが1日7時間、時給1000円で週5日働いたら…
→月14万円で年間162万円

フルタイムのお仕事で月20万なら…
→給与だけで年間240万円

自分が働いたところでそれほど収入になるわけでもないし…と思っているかたもいるかもしれませんが、続ければ結構な収入ですよね。

ちなみに、よく耳にする103万の壁
これは年収103万以下なら配偶者控除が受けられ、所得税も住民税も納めなくていいし源泉徴収されない、つまり働いた賃金から差し引かれるお金がなかったのですが、来年の2018年から配偶者控除が改正されて、事実上の年収の壁が103万以下から150万以下に変わります。これはご主人のお給料が1,120万円以下の場合。1,220万円以上なら妻の年収に関わらず配偶者控除はなくなります。

ポイントはもうひとつ。ママの年収が130万以上ならご主人の社会保険の被扶養者からはずれるので、国民保険に加入するかママも職場の社会保険に加入するかのどちらかです。国民保険なら家計から保険料を負担しないといけないし、社会保険料も半分はお給料からひかれてしまいます。

つまり社会保険のことも考えると、年130万以上働くのなら年160万、月133,340円以上は働かないと、ちょっと損してしまいます。さまざまなハードルはあるかもしれませんが、扶養外で働くのであれば、いっそ正社員で働いた方がいいかもしれません。

子どもが大きくなってから働けばいい?

子どもが大きくなってから働けばいいから、と思うママもいるかもしれませんね。
たしかにお子さんが大きくなったら、時間にも子育てにもゆとりはできます。

でも、お子さんが大きくなったころは、学費などの子育て費用もピーク。必要になってから働きだすのでは、ちょっと間に合わないかもしれません。
働きはじめるママにとっても、長く続けてきた生活を急に変えるのは大変ですよね。

今はスーパーでも現金以外のクレジットカードや商品券などの処理が複雑化しており、レジの操作も難しくなってきているので年齢によっては「経験が必須条件」と言われてしまうことも。
飲食店での受注や会計、クリニックの受付、介護の訪問記録も今やスマホやタブレット端末の時代なので、働いていない期間が長くなると、仕事の内容だけでなく、こういった仕事をする環境についていくのも一苦労。

経験を問われる時代だからこそ、最初はパートからでも少しずつ働く経験を積み重ねていくことが、正社員で働きたいと思ったときに応募先へのアピールになりますね。

いま、一歩を踏み出してみる

ちょっと早めに働きだすことで、ママ自身の経験やキャリアもできるので、働いてもらえるお給料も変わってきます。

ママが外で働く時間は子育てから解放される気分転換の時間にもなります。外で働けば、身だしなみにも気を使うし、家計に余裕も出てくるので、夫とのケンカが減りましたと言われたこともあります。
家でお子さんとずっと一緒にいると、ついつい悪いところや出来ないところが目についてイライラ、これはママにもお子さんにとってもマイナスですよね。

仕事探しの条件は、どうしても他のママと重なりやすいので、早く動き出したほうが、好条件の仕事をゲットできるチャンスも広がります。非正規雇用の割合が37.5%の今、雇う側も慎重になっているからでしょうか。パートや契約社員で働いていて、声をかけてもらい正社員になったという話もよく聞きます。

いまは子育てが大変で、仕事をするなんて考えられない!というかたも多いと思いますが、結婚・出産・子育てに少し慣れてきたら、ママ自身のキャリアのためにも、お子さんやご主人のためにも、専業主婦から一歩踏み出すキャリアチェンジを考えてみてはいかがでしょうか?

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