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コアタイムとフレキシブルタイムとは?フレックスタイム制との関係やメリットを解説

フレキシブルタイムとコアタイムとは?フレックスタイム制との関係やメリットを解説

「フレキシブルタイムとは?」
「フレックスタイム制とどのような関係?」

フレキシブルタイムとは、「任意のタイミングで出社・退社できる時間帯」で、フレックスタイム制を導入する際に設けられることが多いです。

働き方改革の一環として注目されているフレックスタイム制ですが、コアタイムやフレキシブルタイムの考え方や仕組みを理解していない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、フレキシブルタイムとコアタイムについて基礎知識を解説し、フレックスタイム制との関係やメリットも紹介していきます!

目次

フレキシブルタイムとは

フレキシブルタイムとは

フレキシブルタイムとは、フレックスタイムの中で「任意のタイミングで出社・退社できる時間帯」です。

フレキシブルタイムに設定された時間帯は、いつ出勤や退勤をしてもよいとされます。

コアタイムとは

コアタイムとは

コアタイムとは、フレックスタイムの中で「必ず勤務しなくてはいけない時間帯」のことです。

全社員が出勤する時間帯を確保できるため、情報共有や対面での共同作業などを目的として導入されています。

コアタイムを設けるメリット

コアタイムは、人が多く集まる時間帯のため、社内ミーティングや社外ミーティング、商談などのスケジュールを調整しやすくなります

またプライベートの用事に合わせて出退勤時間を自由に決められ、好きな働き方を実現できるため、プライベートも充実させやすくなります

コアタイムを設けるデメリット

コアタイムでは、人によって勤務開始時間と終了時間が異なるため、社内コミュニケーションに不都合が生まれる可能性があります

「今すぐに質問したいが上司が退勤してしまっている」といったケースが発生しやすいため、コミュニケーションツールを充実させる必要があります。

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フレックスタイム制とは

フレックスタイム制とは

フレックスタイム制とは、従業員が日々の出社や退社時刻を自由に決められる制度です。

たとえば、1ヶ月の総労働時間を160時間とした場合、その月の最終日までに総労働時間が160時間になるように割り振るイメージです。

つまり、1ヶ月の総労働時間が160時間になれば、10時から働いても、17時に帰宅しても問題ありません。

フレックスタイム制の仕組み

フレックスタイム制の仕組み

フレックスタイム制は、「フレキシブルタイム」と「コアタイム」を設定した上で運用するのが一般的です。

ただし、コアタイムの設定は必須条件とされていないため、すべての労働時間帯をフレキシブルタイムにすることも可能です。

なお、フレキシブルタイムを定める場合は、該当する時間帯を労働組合との労使協定によって決定する必要があります。

残業時間や残業代はどうなる?

フレックスタイム制では、清算期間内において、総労働時間を超過した分が時間外労働とされます

たとえば、月間の総労働時間が160時間の月に合計175時間働いた場合、15時間分の残業代が支給される仕組みです。

仮に、「1日8時間」の法定労働時間を超えて10時間働いた日があっても、トータルの総労働時間を超えなければ残業代は発生しません。

フレックスタイム制の目的

ワークライフバランスの推進

フレックスタイム制は、従業員のワーク・ライフ・バランス向上を目的とした制度です。

万が一、急な用事で帰宅しなければならなくなった場合も、勤務時間を柔軟に調整できるため、早退や有給取得などをせず済みます。

制度を導入することで、子育てや介護をしている従業員でも働きやすい労働環境となるでしょう。

生産性と業務効率の向上

フレックスタイム制は、無駄な残業を減らして仕事の効率化を図ることを目的とした制度です。

多忙な時期は勤務時間を増やし、業務が少ない日は早めに帰るなど、業務の状況に業務量に応じて勤務時間を調整できます

「限られた時間の中で終わらせよう」という意識も強くなるため、生産性の向上にも繋がるでしょう。

フレックスタイム制が普及しない理由

フレックスタイム制が普及しない理由としては、「生産性低下への懸念」が挙げられます。

勤務時間の管理が従業員が一人ひとりに委ねられる分、自己管理ができない社員に関してはかえって仕事の効率が悪くなってしまいます。

また、「会議スケジュールの組みにくさ」や「コミュニケーション不足による弊害」を懸念している企業も多いようです。

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フレックスタイム制を導入するメリット

離職率の低減が期待できる

フレックスタイム制の導入によるワークライフバランスの向上は、離職率の低減にも寄与します。

就業環境の改善によるプライベートな時間の充実は、仕事に対する意欲の向上に繋がるでしょう。

また、これまで育児や介護などが理由でやむなく退職せざるをえなかった人も、仕事を続けやすくなります。

人件費のコスト削減が期待できる

フレックスタイム制を導入すると、従業員の業務効率がアップし、無駄な残業時間や休日出勤が減ることで、人件費の削減が期待できます。

業務の多い日は労働時間を増やし、少ない日は減らすように、労働時間を調整しながら働くことで、無駄な労働時間を減らせます。

求人募集でアピールできる

労働時間を柔軟に調整でき、プライベートと業務を両立しやすいフレックスタイム制の導入は、採用時の大きなアピールポイントとなります。

ワークライフバランスが重視されるようになった昨今、労働者は「働き方の多様性」に重きを置いています

フレックスタイム制の導入によって就業環境を改善すれば、優秀な人材を確保できる可能性も高くなるでしょう。

通勤ラッシュを避けられる

フレックスタイム制を活用すれば、通勤ラッシュや交通渋滞を回避して出社することが可能です。

通勤時のストレスが軽減されることで、従業員一人ひとりの生産性向上が期待できるでしょう。

プライベートの時間を自由に決められる

フレックスタイム制の導入によって、仕事とプライベートのバランスを取りやすくなります。

日によって勤務時間を短縮できるため、育児や介護、通院など、私的な用事に合わせて柔軟にスケジュールを調整可能です。

プライベートの、心身の健康も維持しやすくなるため、業務のパフォーマンス向上にも繋がるでしょう。

フレックスタイム制を導入するデメリット

従業員同士のコミュニケーション不足が懸念される

フレックスタイム制を導入すると、社員全員がそろう時間が少なくなります。

対面のミーティングやコミュニケーションの機会が減ることで、情報共有の漏れなどが発生するリスクが懸念されます。

社内連携の体制を整えるなど、トラブル防止の対策を講じましょう。

社外関係者との連携が取りにくくなる

フレックスタイム制を導入すると、固定時間制を導入している顧客や取引先との連携が取りづらくなります。

連絡がつきにくい状態が続くと、相手方からの信頼を失ってしまいかねません。

特に、外部との連絡が多い業務に関しては、社用携帯なども活用し、連携不足に陥らないよう注意しましょう

実行するまでに時間がかかる

フレックスタイム制を導入するとなると、就業規則や業務連絡ツールなどの社内ルールを整える必要があるため、実行するまでに時間がかかってしまいます。

導入後に起こるであろう問題や課題もしっかりと想定しなければならないため、ある程度準備に時間がかかることを把握しておきましょう。

勤怠管理が難しくなる

フレックスタイム制では、基本的に従業員自身で労働時間を管理します。

自己管理がきちんとできていない場合、総勤務時間が不足してしまうリスクもあるため注意が必要です。

勤怠管理システムや運用ルールを整備し、個々の労働時間や休憩時間を正確に把握できるように工夫しましょう。

勤務時間外に仕事の連絡が来ることがある

フレックスタイム制では、業務連絡があった場合、勤務時間外でも対応しなければなりません

特に、外部との連絡が多い業務においては、出勤前や退勤後に取引先から連絡がくる機会も少なくないでしょう。

関係者のスケジュールに配慮し、ある程度時間の調整が必要な点は留意しておく必要があります。

社員それぞれの自己管理能力に依存することになる

フレックスタイム制は時間管理の自由度が高い分、自己管理能力の低い従業員に関しては生産性が低下するリスクもあります。

「コアタイムと総労働時間さえ守れば良い」といった誤解もが生じると、かえって業務効率を落としてしまいかねません。

このような弊害を防止するためにも、勤怠管理を徹底し、従業員の成果を細かく把握するようにしましょう。

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フレックスタイム制を導入しやすい業界・職種

【業界】

  • IT
  • 通信
  • インフラ
  • インターネット
  • マスコミ

 

【職種】

  • エンジニア
  • プログラマー
  • デザイナー
  • ライター
  • 企画職
  • 事務職

 

フレックスタイム制を導入しにくい業界・職種

【業界】

  • サービス業(宿泊業・医療福祉業など)
  • 接客業(飲食業・小売業など)

 

【職種】

  • 工場のライン
  • 営業職

 

フレックスタイム制を導入している企業の特徴・共通点

  • 仕事が細分化されている
  • 外部の人と接触する機会が少ない
  • 他部署や他者への依存度が低い
  • 自分のペースで業務を進めやすい

 

フレックスタイム制と裁量労働制や時短勤務、時差出勤制度との違い

フレックスタイム制と裁量労働制や時短勤務、時差出勤制度との違い

裁量労働制との違い

裁量労働制とは「みなし労働時間制」のひとつで、労働時間が労働者の裁量にゆだねられている労働契約のことを指します。

たとえば、みなし労働時間が1日7時間の場合、実際の労働時間が4時間や10時間であっても、契約した7時間働いたとみなされる仕組みです。

フレックスタイム制では、会社が決めた所定労働時間を満たす必要があるため、裁量労働制とは時間の自由度が異なります

時短勤務との違い

時短勤務とは、1日あたりの勤務時間を通常よりも短縮した働き方です。

たとえば、通常勤務の従業員が18時まで働くところを、時短勤務の社員は16時までで帰宅できます。

就業時間が固定されており、会社が決めた始業時間・終業時間に従う必要があります

時差出勤制度との違い

時差出勤とは、公共交通機関のラッシュを回避するために、出勤・退勤の時間を変更できる制度です。

1日の労働時間は会社ごとに固定されているという点でフレックスタイム制度とは異なります。

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企業がフレックスタイム制を導入する方法

企業がフレックスタイム制を導入する方法

厚生労働省による解説を読む

厚生労働省は、フレックスタイム制導入に当たっての注意事項を解説したパンフレットを発行しています。(「フレックスタイム制のわかりやすい解説&導入の手引き」)

フレックスタイム制に関する法令や就業規則の規定、労使協定締結について、実務対応編まで詳しく理解できるので、導入前に一読しておきましょう。

就業規則に明記する

フレックスタイム制を導入する場合は、始業・終業時刻を従業員の決定に委ねる旨を就業規則等に規定する必要があります。

また、コアタイムやフレキシブルタイムの範囲についても、就業規則に定めなくてはなりません。

作成した就業規則は、社内ポータルにアップロードするなど、従業員がいつでも確認できる状態にしておきましょう。

労使協定を締結する

フレックスタイム制を導入するには、労使協定の締結が必須と、労働基準法で定められています。

労使協定を締結していない場合は、労使間で合意があってもフレックスタイム制の導入はできません。

【労使協定を締結しておくべき事項】

  • 対象となる労働者の範囲
  • 清算期間
  • 清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)
  • 標準となる1日の労働時間
  • コアタイム(任意)
  • フレキシブルタイム(任意)
  • 起算日
  • 有効期限と労働基準監督署への提出

 

【1ヵ月を清算期間とした場合の法定労働時間の総枠】

  • 清算期間の暦日数が28日の場合:160.0時間
  • 清算期間の暦日数が29日の場合:165.7時間
  • 清算期間の暦日数が30日の場合:171.4時間
  • 清算期間の暦日数が31日の場合:177.1時間

 

企業がフレックスタイム制を導入する際のポイント

企業がフレックスタイム制を導入する際のポイント

総労働時間を決める

フレックスタイム制では、あらかじめ一定期間の「総労働時間」を定めます

総労働時間は下記の式で算出するのが一般的です。

「標準となる1日の労働時間×その月の所定労働日数」

たとえば、1日の労働時間が7時間、労働日数が20日なのであれば、従業員は1ヶ月に140時間以上働くことになります。

精算期間を決める

精算期間とは、総労働時間を定める一定期間のことを指します。

たとえば、総労働時間を「1ヶ月あたり160時間」とした場合、精算期間は「1ヶ月」です。

フレックスタイム制では、「清算期間内において、総労働時間よりも多く働いた分」が時間外労働となります。

コアタイム・フレキシブルタイムを設定するかどうか検討する

フレックスタイム制度を導入する場合は、コアタイム・フレキシブルタイムの設定を適切に行いましょう。

たとえば、取引先の就業時間内で連絡が多く発生する時間帯や、サービス提供会社の就業時間帯、一般的に作業が多く発生する時間帯はコアタイムに値します

職種によって、所定の時間には最低このくらいの人数が必要だという状況を決めておくとよいでしょう。

対象となる従業員を決める

フレックスタイム制を導入する際は、全ての部署に一括導入するのではなく、職種の特徴に合わせて対象となる従業員を決める必要があります。

たとえば、外部との連携が多くある部署にフレックスタイム制度を導入してしまうと、外部と連絡を取りやすい時間が少なくなってしまい、営業活動に支障が出てしまう可能性があるのです。

職種・部署ごとの特徴を洗い出した上で、本当に適用するべきなのか、そうではないのか判断するようにしましょう。

休憩時間を設ける

フレックスタイム制であっても、勤務時間の中に休憩時間を設ける必要があります

多くの企業は、社員が休憩するタイミングを統一するため、休憩時間をコアタイム中に設定しています。

ただし、別途労使協定を締結すれば、休憩時間を従業員が自由に決めることも可能です。

休憩時間に関する規定

  • 労働時間が6時間を超える場合は最低45分
  • 労働時間が8時間を超える場合は最低1時間

 

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フレキシブルタイムに関するよくある質問

フレキシブルタイムに関するよくある質問

Qフレキシブルタイムのデメリットとは?

  • 従業員同士のコミュニケーション不足が懸念される
  • 社外関係者との連携が取りにくくなる
  • 実行するまでに時間がかかる
  • 勤怠管理が難しくなる
  • 勤務時間外に仕事の連絡が来ることがある
  • 社員それぞれの自己管理能力に依存することになる

 

Qフレキシブルタイム外の勤務を許可制にできる?

フレキシブルタイム外の勤務は、許可制にできます

たとえば、業務都合でやむを得ず22時を超えて勤務する場合に、従業員に申請させることができます。

Qフレックスタイムとフレキシブルタイムの違いは?

フレックスタイム制とは、働く時間を調整できる制度です。

そのフレックスタイム制は、自由に出退勤して良い時間(フレキシブルタイム)必ず出社しなければない時間(コアタイム)で構成されています。

フレックスタイム制に関するよくある質問

フレックスタイム制に関するよくある質問

Qフレックスタイム制における遅刻・早退・欠勤の扱いは?

フレックスタイム制は、出退勤の時間を自由に決められるため、基本的に遅刻や早退は発生しません

ただしコアタイムがある場合は、開始時間から終了時間までは必ず働かなければならないため、開始時間までに出勤していないと遅刻扱いになります。

Qスーパーフレックスタイムとは?

スーパーフレックスタイムとは、コアタイムを設けず、すべての労働時間をフレキシブルタイムにしている形態です。

勤務時間の制約がなくなることで、通常のフレックスタイム制度よりも自由度の高い労働環境が実現します。

Qフレックスタイム制はずるい?

フレックスタイム制は、出退勤の時間を自由に決められ、プライベートと両立もしやすいことから、ずるいと感じる方もいるかもしれません。

しかし、フレックスタイム制は時間管理の自由度が高い分、自己管理能力の低いと業務効率を下げてしまうことになりかねません。

フレックスタイム制の導入により、生産性と業務効率をアップさせるためには、自己管理を徹底する必要があります

Qフレックスタイム制の場合、1日の労働時間の上限は?

フレックスタイム制では、「総労働時間の超過分」を残業ととらえるため、1日の労働時間の上限がありません。

たとえ、1日10時間働いた日があっても、トータルの総労働時間を超えなければ残業をしたことにはなりません。

Qフレックスタイム制の時間外労働の考え方は?

フレックスタイム制では、清算期間内において、総労働時間を超過した分が時間外労働とされます。

Qフレックスタイム制の具体例は?

フレックスタイム制の活用例

月曜日に子供が発熱し、病院に行くために3時間遅れて出勤した。

火曜日~木曜日は1時間ずつ残業をすることで、3時間分の労働時間を取り戻した。

残業代はの支払い例

月間の総労働時間が160時間の月に、合計175時間働いた。

所定の総労働時間より多く働いた15時間分の残業が支払われた。

まとめ

今回は、フレキシブルタイムとコアタイムについて基礎知識を解説し、フレックスタイム制との関係やメリットも紹介していきました。

フレックスタイム制では、自由に出退勤時間を調整できるため、ワークライフバランスの向上が期待できます。

子育てしながら無理なくフルタイム勤務したい方や、勤務時間の合間にキャリアアップに向けたセミナーに参加したい方におすすめの働き方です。

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