あなたは、登山型ですか?それともトレッキング型ですか?
これ、趣味の話ではありません(笑)。
キャリアの築き方を、登山とトレッキングの特徴から、2つのタイプとして表現しています。(※ページ下部に参照元)
2つのキャリア形成タイプとは
皆さんがそれぞれどんなタイプなのか、一緒に見ていきましょう。
●登山型のキャリアタイプ
「**の分野で専門性を磨く」「*歳までに**の資格を取る」というように、自分で立てた目標に一直線に向かっていくキャリア形成をするのが、このタイプです。
登山は、(当然ですが)まず登る山を決め、絶対目標である山頂に向かって行きます。山が高い場合は困難も伴いますが、脇目も振らずにその達成を目指すタイプ。
●トレッキング型のキャリアタイプ
現状、絶対の目標はなく、状況に応じて与えられた職種や職場で経験を積む。そこで目の前の仕事に向き合ったことが、次の選択につながっていくタイプです。
トレッキングのように、道を進むうちに思いもよらない景色を見て感激したり、遠回りのように感じた道で新しい発見をしたり、歩くこと自体を楽しむタイプ。
あなたのキャリア形成タイプは?
「昔は登山型だったけど、今はトレッキング型!」、その逆の人もいるかもしれませんね。
あなたは、どちらのタイプと言えそうですか?
1:9で●●型が多い!?
ちなみに、私がキャリア研修等の場で参加者に聞くと、どんな対象者・機会でも、総じて1:9。圧倒的に「私はトレッキング型だ」という女性が多いです。
ここでひとつ注意なのは、あくまでキャリア形成の“タイプ”の話であって、どちらが良い・優れてる、というものではありません。
でも、こんな風に感じませんか?
小さいころから、なんとなく社会で「高い目標を持つこと」が推奨されて、「目標がない」というと、「それではいけない、目標を持ちなさい」と言われたり、そんな空気を感じる。
特に学校では、まず目標(=なりたい自分、就きたい職業、達成したい**)を決めて、そこから逆算してやるべきことを決めていくことを教えられてきたな、と。
もちろん、目標を持つこと、ゴールを決めてプロセスを設計できることはめちゃくちゃ大事です。
トレッキング型が多いのも当然!?
目標を持つこと、ゴールを決めてプロセスを設計できることは大事。
でも、自分が知っていること・経験したことが少ない場合、また、働くことのように人生の中で何十年もかけて取り組むことにおいて、その時点で自分にあった目標や選択肢を明確に自覚できることは少ないのではないでしょうか。
だって、まだまだ、自分の興味関心も、自分という人間の適性や可能性だって開発中なんですから。
トレッキング型が大事なワケ
社会の変化・企業を取り巻く変化はどんどん早くなっています。
そうした環境では、自分の狭い視野や思い込みから、特定の選択肢に固執するよりも、状況に合わせて柔軟に変化できることの大事さが、いっそう増すはずです。
「苦手だと思ってたけど、意外と向いているかも」
「やってみたら面白かった」
「想定しなかった自分の強みが発見できた」
といったように、経験の積み重ねの中から、“心から達成したい目標“が見つかっていくのかもしれない。そしたら、タイプ自体を登山型に切り替えて、山頂を目指しましょう。
さいごに
各タイプで充実したキャリアを歩むためのポイントを書かせていただきます。
●登山型のキャリアタイプ(大事なこと)
・必要なのは、目標への強い信念。目標達成まで一心に努力を継続できること。
・自分をよく理解し、自分が全力を注げる目標を見つけられること。
●トレッキング型のキャリアタイプ(大事なこと)
・必要なのは、「今ここ」を楽しめる許容力。
・多様な経験から(トレッキングを続けながら)、自分を理解し、また力をつけていくこと。
・目指すものが明確に見えなくても焦らず、トレッキングを楽しめること。
仕事を続ける、転職や再就職をする中で、「これは自分がやりたい仕事だったのか?」と思うこと、誰しもあると思います。
そんなときは、トレッキングをする気持ちで臨むと楽しめるかもしれません。「今ここ」を楽しむのです。
楽しみながら仕事をし、新しい自分を発見し、そこで力をつけた先に、今の自分には想像できない新しい道が広がっていくはずです。
【参照・引用】
『360度の視点で仕事を考える 働き方の哲学』
村山昇 著