皆さんはお子さまの将来のために何か備えられていることはありますか?
何かと必要になる金銭面の備えとして、学資保険は一番オーソドックスな方法かと思います。
ただ、どうして必要なのか、どのくらいの備えが必要なのか、キチンと理解できていますか?
今回はお金のプロであり、ご自身のお子さんも学資保険に加入済みという、ママさん税理士の藤平先生にお話しを伺いました。
学資保険を検討中という方や、まだ考えてなかったという方は、保険会社やFPさんに相談する前にいま一度確認しておきましょう。
子供の教育費ってどのくらいかかるの?
こんにちは。税理士の藤平です。
子供の教育費は人生における三大支出の1つと言われているくらい、たくさんお金がかかります。
お子さんがいるご家庭では、将来、どのくらいのお金がかかるのか?いつくらいまでに用意すればいいのか?とても気になる話題ですよね。
一般的には幼稚園から大学までオール公立で進んだとしても750万円、オール私立だと2,000万円くらいかかると言われております。
これだけの金額を余剰資金として持っているご家庭でしたら教育資金のための保険は必要ないと思われるかもしれませんが、そんな家庭はそうありません。
私自身もこの教育費の金額に驚き、あまり教育費がかからない小さいうちからしっかり備えておこうと出産後すぐに学資保険に加入しました。
学資保険に加入するメリットは?
①貯蓄性が高い
学資保険のような貯蓄型の保険は何と言っても返戻率が良いことが魅力ですよね。
貯蓄重視の学資保険のほとんどが返戻率100%を超えておりますし、返戻率110%前後という商品もありますので、普通預金と比べるとかなり貯蓄性は高いです。
②強制的に貯蓄できる
「毎月○円貯金するぞ!」と心に決めても、実際その通り貯金を続けるのは難しいです。保険料という形で強制的に貯蓄できるので自分ではなかなか貯金できないという方にはメリットといえますね。
③親の万が一にも対応できる!
親(契約者)が死亡または一定の高度障害状態になった場合には、保険料の払いが免除され、かつ、お祝い金や満期金は契約通り受け取ることができます。
親にもしもの事があっても金銭的な事を理由に子供が進学を諦めずにすみますから、これが学資保険に入るもっとも大きなメリットではないでしょうか。
④節税になる
学資保険は税金を節税する効果があります。
≪掛金払い込み時≫
年末調整もしくは確定申告で生命保険料控除を受けることができます。現在新たに加入する保険については控除額が以下の通りとなります。
≪満期保険金受取時≫
満期保険金やお祝い金の受け取り時には一時所得として計算されますので、運用益が50万円までなら税金は発生しません。
デメリットや注意点はあるの?
①急に必要になっても引き出せない
学資保険は、一時金、お祝金、満期金を受け取れる時期があらかじめ決められておりますので、予定外の支出が必要になった場合には自由に引き出すことはできません。
解約は可能ですが、その場合の解約返戻金の額は払い込んだ保険料より大幅に少なくなってしまうこともあるでしょう。
②保障をつけることの落とし穴
学資保険には、医療保障や死亡保障をつけられる商品があります。子供はよくケガや病気をするからと保障を付けたくなってしまいますよね。
しかし、保障を付けた商品は付けない商品と比べて返戻率が格段に下がりますので、本来の目的である貯蓄の効果を下げてしまうのです。
それに、学資保険に付帯している保障ですから、当然学資保険の保証期間終了と同時に医療保障や死亡保障も保障が切れてしまいます。
年齢が低く健康なうちに終身タイプの保険に加入すると保険料が格安になりますから、小さいうちから子供の医療保障や死亡保障をカバーしたいなら、その部分は学資保険とは別に終身タイプの保険に加入するというのも有効な手段ではないでしょうか。
③年金タイプのお祝金受取りには注意
大学進学後、毎年お祝金として受け取れる年金タイプの商品があります。
中学・高校・大学と進学のタイミングでお祝金を受け取る場合には一時所得になり税制上の優遇がありますが、毎年受け取る年金タイプのものは雑所得として取り扱われることになります。
雑所得で受け取る場合、一時所得のような税制上の優遇はありません。
まとめ
返戻率を上げるにはもらう時期も1つにまとめた方が良いとはいえ、進学のタイミングでは入学金や制服購入など、まとまった出費が生じますから、進学のタイミングでもらえるお祝金というのも正直ありがたいですよね。
返戻率を上げることも大事ですが、どのタイミングで保険金を受け取れるのが一番良いのかはご家庭によって違ってきます。子供のライフプランを考えると同時に、ご両親自身のライフプランを見直す時期ともいえると思います。
ご家庭によって、貯蓄や保障の必要性も異なりますから、ご家族で将来のことについてよく話し合ってみると良いですね。