「パート主婦の平均月収や平均年収はどれくらい?」
「パート勤務で稼いだ場合、いくらから扶養が外れる?」
パート勤務として働いている中で、自身の収入は、高いか低いか、気になる方は多いと思います。平均的な月収は知っておきたいものです。
そこで本記事では、製造業や飲食サービス業など、業種別にパート主婦の平均月収・年収を紹介していきます。
パートの収入がアップする場合に気を付けたい年収の壁についても解説しているため、手取りを増やしたいパート勤務の方必見です!
パート主婦の平均月収・年収はいくら?
パート主婦の平均月収は、厚生労働省の「毎月勤労統計調査 令和2年3月分結果確報」によると、97,201円でした。つまり、年収に換算すると、約116万円になります。
また、パートの1時間当たりの給与は1,189円で、前年同月と比べて3.1%増えた結果になりました。
【製造業】パート主婦の平均月収・年収
製造業におけるパート主婦の平均月収は、118,323円です。つまり、年収に換算すると、約141万円になります。
前年同月と比べて0.8%増えた結果となり、今回の調査で、一番高い平均月収です。
【卸売業、小売業】パート主婦の平均月収・年収
卸売業、小売業におけるパート主婦の平均月収は、96,454円です。つまり、年収に換算すると、約115万円になります。
前年同月と比べて2.6%増えた結果となり、今回の調査で、一番高い伸び率です。
【飲食サービス業等】パート主婦の平均月収・年収
飲食サービス業等におけるパート主婦の平均月収は、72,737円です。つまり、年収に換算すると、約87万円になります。
前年同月と比べて5.5%減った結果となり、今回の調査で、一番低い平均月収です。
【教育,学習支援業】パート主婦の平均月収・年収
教育,学習支援業におけるパート主婦の平均月収は、89,038円です。つまり、年収に換算すると、約106万円になります。
前年同月と比べて0.7%増えた結果となります。
【医療、福祉】パート主婦の平均月収・年収
医療、福祉におけるパート主婦の平均月収は、115,806円です。つまり、年収に換算すると、約138万円になります。
前年同月と比べて0.7%増えた結果となります。
パート勤務をする人が知っておきたい年収の壁
パート勤務する人が気を付けなければならないのが、年収の壁です。年収の壁とは、配偶者の扶養の範囲から外れる年収のことです。
つまり、一定の年収(年収の壁)を超えると、配偶者の扶養から外れてしまい、税金が課税されたり、扶養控除を受けられなかったりします。
そのため、パートやアルバイトとして働いている方の多くは、年収の壁に気を付けており、税金や扶養控除のために収入を調整しています。
以下では、扶養内で働くための年収の壁を解説していきます。年収の壁は、税金に関わる壁と社会保険に関わる壁の2つがあります。
扶養内で働くための「税金に関わる壁」と「社会保険に関わる壁」
税金に関わる壁
扶養内パートで働く際に抑えておくべきポイントは、税金に関わる壁です。税制上の扶養は、夫の所得税と配偶者控除・配偶者特別控除に関するものです。
たとえば、妻のパート年収が103万円、または150万円内であれば、妻や子どもは配偶者控除・配偶者特別控除の対象となり、夫の所得税や住民税の負担が軽減されます。
社会保険に関わる壁
扶養内パートで働く際に抑えておくべきポイントは、社会保険に関わる壁です。社会保険上の扶養は、健康保険や年金などの社会保険の被扶養者になることです。
たとえば、妻のパート年収が106万円、または130万円内であれば、妻は夫と同じ社会保険に加入することができ、妻は自分で社会保険料を支払う必要がなくなります。
扶養内パートで働く際の「税金に関わる壁」
100万円の壁:住民税の支払いの義務が生じる
扶養内パートで働く際の税金に関わる壁の1つ目は、100万円の壁です。この年収の壁は、住民税の支払いの義務が生じる年収です。
前年の所得に対して徴収される住民税は、年収100万円前後で発生します。自治体によって異なるため、管轄の自治体に確認しましょう。
103万円の壁:所得税の支払いの義務が生じる
扶養内パートで働く際の税金に関わる壁の2つ目は、103万円の壁です。この年収の壁は、所得税の支払いの義務が生じる年収です。
年収が103万円以下であれば妻は夫の扶養となり、所得税を支払う必要がなく、配偶者は38万円の所得控除を受けることができます。
150万円の壁:配偶者特別控除の額が段階的に減る
扶養内パートで働く際の税金に関わる壁の3つ目は、150万円の壁です。この年収の壁は、配偶者特別控除の額が段階的に減る年収です。
というのも、年収150万円を超えても、段階的に控除が減額されていくだけで、配偶者特別控除を受けることは可能です。
つまり、年収150万円までは配偶者基礎控除の満額38万円が受けられるため、満額を受けたい場合、150万円を超えないようにしましょう。
201万円の壁:配偶者特別控除がなくなる
扶養内で働く際の税金に関わる壁の4つ目は、201万円の壁です。この年収の壁は、配偶者特別控除がなくなる年収です。
つまり、妻の年収が201万円以上になると、夫の控除額が0になり、夫の所得税が増えることにつながります。
扶養内パートで働く際の「社会保険に関わる壁」
106万円の壁:自分で社会保険料を納める必要がでてくる
扶養内パートで働く際の社会保険に関わる壁の1つ目は、106万円の壁です。扶養範囲外となり自分で社会保険料を納める必要がでてきます。
つまり、106万円の壁というのは、場合によっては自分で厚生年金や健康保険料を支払わなければならない壁となります。
106万円の壁が適用される5つの条件は、以下のとおりです。自身の勤め先があてはまるかどうか、確認してみてください。
【社会保険の加入条件】
- 従業員数:101人以上の会社に勤務
- 月額賃金:8.8万円以上(年収106万円以上)
- 週の所定労働時間:20時間以上
- 雇用期間:2ヶ月以上
- 学生か否か:学生ではない
社会保険に加入すると、医療保険や年金受給額が増えるメリットがある一方で、手取り年収が減るデメリットもあるため、その点を考慮して、扶養内で働くかどうか判断しましょう。
130万円の壁:すべての人が社会保険料を納めなければならない
扶養内パートで働く際の社会保険に関わる壁の2つ目は、130万円の壁です。配偶者の社会保険の扶養から外れ、社会保険料を納めなければなりません。
上記の会社規模などの社会保険の加入条件に該当しない場合でも、130万円を超えるとすべての人が社会保険に加入することになります。
130万円の壁を超えると、社会保険料の負担が一気に増え、結果として手取りが減ることにつながるため、注意しましょう。
収入とやりがいのバランスをとるには
扶養内パートで働く場合、収入を調整しようとすると、どうしても勤務時間が短くなってしまいます。
残業ができなかったり、簡単な業務しか任せてもらえなかったりで、やりがいや達成感を感じづらいと思う方も多いでしょう。
そこで以下では、収入とやりがいのバランスをとるための仕事選びのポイントを解説していきます。
スキルアップできる仕事を選ぶ
収入とやりがいのバランスをとるための仕事選びのポイントは、スキルアップできる仕事を選ぶことです。
資格につながる事務系の仕事や、デザイナー、ライターなどのクリエイティブ系の仕事などは、スキルアップできます。
飲食店や小売店の場合も、パートリーダー業務がある勤め先を選ぶことで、モチベーションアップにつながるでしょう。
時短勤務でやりがいを感じられる仕事を選ぶ
収入とやりがいのバランスをとるための仕事選びのポイントは、時短勤務でやりがいを感じられる仕事を選ぶことです。
アウトバウンドのコールセンターや問い合わせのコールセンター、イベントスタッフは、短い時間で結果を残すことができます。
上記のような、臨機応変な対応が求められる仕事は、特にやりがいを感じられるためおすすめです。短い時間で結果を残すことができれば、収入面もやりがい面も満足できるはずです。
まとめ:年収の壁を意識しながら働くことが大切!
今回は、業種別にパート主婦の平均月収・年収を紹介し、扶養に関する103万円の壁、130万円の壁についても解説していきました。
パート勤務する方は、一定の年収(年収の壁)を超えると、配偶者の扶養から外れてしまい、税金が課税されたり、扶養控除を受けられなかったりします。
配偶者の扶養から外れないようにするため、年収の壁に気を付けながら、収入を調整することが大切です。
また、収入を調整しながらやりがいのある仕事を選ぶことも、働くモチベーションを保つために、重要なポイントです。