1.はじめに
こんにちは。一般社団法人 育勉普及協会の小田木です。
最近、リクルートワークス研究所が3月に発行した『Works Report2019』(※)を読み、女性が働くこと、主婦からの就職やキャリアについて多くの気づきがあったので、皆さんにもご紹介したいと思います。
※参照:リクルートワークス研究所発行『Works Report2019』より/研究プロジェクト「ブランクからのキャリア再開発」
http://www.works-i.com/pdf/blank_190325.pdf
2.『Works Report2019』って?
このレポートは、子どもを持つ女性の再就職にフォーカスし、3,000人の女性へのアンケートと当事者のインタビューから見えたことを、分かりやすくまとめてくれています。
誰だって、仕事をするなら「自分にとって“やりたい仕事”に就きたい」と考えますよね。
一方で、どんなにやりたい仕事でも、無理をするような働き方は継続できません。
もうひとつ言うと、大前提である“やりたい仕事”を明確に持つことは意外と難しくて、そもそも「私のやりたい仕事って何?」「何が自分に向いているか分からない」というところから就職活動がスタートするケースが圧倒的に多いと思います。
★『自分らしいキャリアに出会う』
『Works Report2019』のレポートでは、自分にとって“やりたい仕事”に就くことを、『自分らしいキャリアに出会う』とし、調査から見えたそのためのポイントを分かりやすく解説してくれています。
具体的にどんな提言をしてくれているか、一緒に見ていきましょう。
3.大切なのは「小さな一歩」
まずFACT1として
「多くの女性は、家庭と両立しやすい時間で最初の一歩を踏み出している」とあります。
主婦にとって両立しやすい時間とはどの程度でしょうか。
これは人によって違うと思いますが、目安はフルタイム以外。週5日の短時間勤務、またはパート・アルバイトのイメージです。
自分にとって無理のない(働き続けられる)時間でスタートを切ること、つまり『小さな一歩』と言えますね。この小さな一歩を、自分らしいキャリア(自分にとってやりがいのある仕事)に出会う前提条件に置いています。
「これって、主婦はみんなそうしてるんじゃない?」と思われたのではないでしょうか。そう、大事なのはこの後です。
4.「小さな一歩」から、自分らしいキャリアに出会うには?
小さな一歩を踏み出した女性のなかでも、自分らしいキャリアに出会った人、自分らしいキャリアに出会っていない人に分かれるのですが、この違いに影響する要因は何かを分析し、こんな風に書かれています。
▼以下『Works Report2019』レポート引用
多くの女性が仕事を再開したあと、新しい仕事や考え方をためしたり、人と新たにつながったり、これからの仕事やキャリアを思い描くことを通じて、より自分に合った仕事に出会っていたことです。
5.キーワードはこの3つ!
キーワードは「ためす」、「つながる」、「思い描く」です。具体的に、どんな行動のことを言うのでしょうか。
▼以下『Works Report2019』レポート引用
―やりたい仕事に出会う行動のヒント―
①やったことのない仕事をためしたり、これまでの価値観・考え方を捨てた(「ためす」)
②仕事やこれからのキャリアについて家族以外の人に相談したり、社外の人と新たに交流した(「つながる」)
③自分のこれからの生き方や仕事について考えていた(「思い描く」)
①②③を、次の項目で、私なりにわかりやすくまとめてみます。
5-1.自分らしいキャリアに出会うステップ①「ためす」
再就職で自分がやりたい仕事に就きたいと思うなら、最初の一歩(仕事の再開時点)では、無理せず継続できる働き方でスタートすること。
そして、新しい仕事を「自分にはできない」「向いていない」と思い込みで判断せず、「まずはやってみよう」と思うこと。
家庭と仕事の両立生活を「大変なこと」「できない」と思い込まず、「自分ならできる」「そのうち慣れる」と思うこと。
5-2.自分らしいキャリアに出会うステップ②「つながる」
「ためす」ことをしながら、自分よりも先に就職をし、ワーママとして家庭と仕事の両立生活を経験をしている人と積極的に話をしたり、相談をすること。
ためし、つながることで自分の経験を増やしたり、新しい発見があるはずです。
「今まで○○と思っていたけど、意外と○○だった」と感じることを探しましょう。
例)
・今まで自分は人と話すのが苦手だと思っていたけど、意外と初対面の人と話すことを楽しめている。
・今まで子どもたちはママがいなきゃだめだと思っていたけど、意外と離れている時間ができたことで一緒にいる時間が充実した。
5-3.自分らしいキャリアに出会うステップ③「思い描く」
これらの実体験から感じた新しい発見をもとに、今の仕事で次に経験したいことなどを自分なりに考えてみることがステップ③の「思い描く」につながります。
いきなり「これからの自分の人生」「実現したい夢」のようなずっと先のことは考えにくい人が多いと思うので、もっと小さな「目の前の目標」「次にやってみたいこと」から考えていくといいですね。
この「ためす」、「つながる」、「思い描く」のサイクルを、「小さく何回転か回してみよう」と少し意識することから始めてみませんか。
さいごに
私事で、余談ですが、今年も静岡県浜松市で再就職支援事業を手掛けることになりました。
その名も「未来型スキル2019」です。
オフィスワークで働きたい女性を対象に、今回ご紹介した「ためす」、「つながる」、「思い描く」要素をたっぷり入れたスキル&キャリア教育と、企業マッチングがセットになった事業です。
→未来型スキル2019