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副業で個人事業主になれるの? 〜確定申告の際に気をつけたいこと〜

目次

はじめに

政府が主導する働き方改革が進められ、以前よりも副業や兼業がしやすい環境になってきました。給与を得ている本業とは別に、副業として個人で何か新しいことを始める方もいるでしょう。

今回は、副業で収入を得ている場合の確定申告について、まとめさせていただきました。

副業で得た収入は確定申告すべき?

副業で得た収入といっても、本業の勤務先とは別にアルバイトをして給与を得た場合、ネットオークションに不要となった生活用品を出品して収入を得た場合、LINEスタンプなどを販売して収入を得た場合など、収入の形態は様々です。税法では所得の種類が定められていて、その種類によって取り扱いや税金の計算方法が変わってきます。

収入が本業の勤務先からの給与のみであれば、会社で年末調整をしてもらうことによって確定申告の必要はなくなりますが、副業を行っている場合には、副業の所得の合計が20万円を超えると、本業の給与所得に合算して確定申告しなければなりません。

例えば、本業の給与以外に副業でLINEスタンプ販売を行っている場合、LINEスタンプの販売による所得(利益)が20万円を超えていれば確定申告が必要です。

副業で得た収入は事業所得と雑所得のどちらで申告するのが得?

事業所得・・・
個人が事業として営んだ結果得られた所得(利益)であり、「反復」・「継続」・「独立」していることが前提になります。

雑所得・・・
所得税で定められている9種類の所得(給与、退職、事業、不動産、利子、配当、山林、譲渡、一時)のどれにも当てはまらないものになります。

事業所得も雑所得も、収入から必要経費を差し引いて所得を計算できる点は同じですが、事業所得は青色申告特別控除を受けられたり、給与所得などと損益通算が可能な分、雑所得よりも所得税の負担を少なくすることができます。

副業を事業所得とした場合の主なメリット

①青色申告特別控除を受けられる。
事業所得は、承認を得て青色申告をすることができます。帳簿の記帳方法によって複式簿記の場合は65万円、単式簿記の場合は10万円の青色申告特別控除を受けることができます。

②事業で赤字が出た場合、本業の給与所得と損益通算できる。
確定申告の際に、給与や雑所得などの他の所得があれば、それらと事業所得を合算して申告することになるため、事業所得が赤字だった場合には他の所得と合算することにより税金の還付を受けることができます。

③赤字は3年繰り越すことができる。
その年の赤字を確定申告することで、3年に渡ってその赤字を所得と相殺することが可能となり、相殺した年の税額を少なくすることができます。

④自宅兼オフィスで家賃や光熱費の一部を経費にできる。
自宅兼オフィスとしていれば、家賃や光熱費、電話代などを使用割合に応じて経費にできます。例えば、家賃の場合には仕事で使用する床面積割合などで経費にすることが可能です。

副業を事業所得とした場合の主なデメリット

①税務署に届出や申請が必要になる。
個人事業を開始する場合には「開業届」を管轄の税務署に提出する必要があります。
また、個人事業のメリットのである青色申告特別控除や3年間の損失繰越は、青色申告により確定申告をしなければ受けられません。青色申告にするために「所得税の青色申告承認申請書」も税務署に提出する必要があります。

②帳簿の作成が必要になる。
複式簿記・単式簿記と控除額によって記帳方法は様々ですが、帳簿を作成しなければなりませんので、記帳の手間がかかります。

副業を雑所得ではなく事業所得と判断するための基準

事業所得の方が税金負担は減らせるというのは分かりましたが、ではどうすれば事業所得になるのでしょうか。
実は、税務署に「事業の開業届」を提出すれば事業所得として認められるというわけではありません。

事業所得として認められるための明確な基準があるわけではありませんが、「一定規模の収入が継続して得られること」が大きな判断要素になっています。他に「相当な時間を費やしている」「職業として認知されている」「設備を投入している」「人を雇用している」「生活の糧となっている」なども判断要素であり、これらを総合的に考慮して判断することになります。

簡単に言うと、片手間や趣味でおこない、お小遣い稼ぎくらいの収入しか得られていない場合には、雑所得という判断になるということですね。
例えば、給与所得者が休日を利用してハンドメイド作品を作り、ネットオークションなどに出品して利益を得るケース、アフィリエイトで収入を得ているケース、読者モデルとして撮影料をもらうケースは、雑所得と判断されてしまうことが多いようです。

まとめ

サラリーマンなどの給与所得者の副業は、雑所得として税務署に判断されることがほとんどであり、事業所得として認められるためのハードルはとても高いのが現実です。

とはいえ、給与所得者でも副業を事業所得として申告して税務署で認められているケースもありますので、ある程度の収入規模がある場合には、税務署に事業所得として申告できるかどうかを事前に相談しておくと良いでしょう。

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