先日、静岡県掛川市が主催するイベントに関わる機会をいただきました。
『女性活躍パネルディスカッション~掛川から始めるポジティブ・アクション~』(2019年3月14日開催)です。
掛川市は、静岡県の中部にある地方都市です。(ちなみに私の実家が近い笑)
当日は、市長と様々な立場にある女性リーダーが参加してパネルディスカッションを行い、私はその司会進行をさせていただきました。
◆イベント詳細はこちら→https://kakegawa-pa.on-mo.jp/
パネリストはこんな方々
〇掛川市長 松井三郎氏
〇ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社
ヒューマンリソース人事マネージャー HRビジネスパートナー 岡田美紀子氏
〇NECプラットフォームズ株式会社 執行役員/掛川事業所責任者 渡邉祐子氏
〇掛川市立大渕小学校長 山田英子氏
〇株式会社山本製作所 専務取締役/掛川商工会議所青年部会長 山本美鈴氏
これまでのキャリアも、得意分野も違う。所属する組織の規模も業種もまるで違う、個性豊かなパネリスト陣です。
意外にも参加者の約半数は男性!
一方、参会者の約半数は男性で、女性部下を持つマネージャー等の役職者や企業内で女性活躍に取り組む方まで様々。残りの約半数は、当事者としての若手~中堅女性までと、実に幅広い層が集いました。
特に、企業や組織で女性活躍を進めていくための課題や可能性、また、自分たちが取り組んでいく中で大切にしている考え方などを中心に話は進みました。
2時間のうち約3分の1は参加者からの質問タイムに充てられ、多様な議論で会場が一体となりました。
家庭との両立、介護、リーダーへの昇進、社内のコミュニケーション、人材の育成や能力開発、、、どのテーマもとても学びが多かったのです。が、全部書ききれないので、特に印象深かった点について振り返ってみたいと思います。
“女性”だけじゃない、“個”としての考え方
イベントのテーマは「女性活躍」と“女性”に焦点を当てたものでしたが、先進企業は「女性人材を活躍させる」と女性くくりで考えていない、と話を聞いて感じました。
一人ひとりの“個”としての働き方や生き方をどう創っていくか、どう主体性を引き出していくかという考え方の中で取り組んできたことが、結果として「女性活躍」にもつながっているのだと。
これからの「女性活躍」のかたち
こういった考え方は、私が属している組織も同じなので、非常に共感できました。
古くから根付く男性中心の働き方や考え方に女性を対応させていく「女性活躍」ではなく、“女性”をきっかけにしながら、多様な社員が働きやすい職場を創っていくための「女性活躍」。
「女性活躍」と「働き方改革」は切っても切れないものなのです。
抽象的な考え方ですが、参加者側の反応から、大企業も中小企業も、男性も女性もだれもが納得していたように感じました。
ユニリーバ・ジャパンが取り組む人事制度
パネルディスカッションの中で、ユニリーバ・ジャパンさんが取り組む、「WAA」という人事制度とその効果が紹介されました。
「WAA」とは、「Work from Anywhere and Anytime」の頭文字をとった言葉で、ひとことで言うと、働く場所と時間を社員が自由に選べる制度、でしょうか。
根底にある考え方は、社員自身が働き方を選ぶということ。
自由を与えられることは、単なる働きやすさの向上ではなく、「自分の裁量で、より効率的で成果の上がる働き方を創っていく責任を負うこと」なんです。
この制度により、ユニリーバ・ジャパン 岡田氏は、社員の自主性と自律性を引き出して、結果として生産性向上の成果を確証していると言います。
もしも自分で自由に働き方を選べたら?
「柔軟な働き方をしたい」、という声は本当に多くの女性から聞きます。
もちろん、人によって「会社にリモートワーク制度がない」「会社や上司にそうした考えがない」などの課題もあるかもしれません。
でもこの機会に、一度立ち止まって考えてみるのもいいのではないでしょうか。
もしも、働き方の自由を与えられたら「自分は自律的に仕事ができるだろうか?」
もしも、時間に縛られなくなったら「自分で時間をマネジメントして生産性の高い仕事ができるだろうか?」
そういうマインドやスキルがあるなら、今(の自分や職場)を変える力も備わっているだろうし、チャンスも手に入るはず。
だって、これからの女性活躍は確実に「女性サポート」ではなく、「女性を含むだれもが主体的にイキイキ働く機会提供」に変わっていくように思うのです。
私たちも、時代の変化に合わせてマインドやスキルを更新していかないといけないですね。
さいごに
イベントの最後に、NECプラットフォームズの渡邉氏が言った言葉が印象的でした。
「働き方改革は、生き方改革」。うーん、深い。
ご一緒させていただいた皆様、機会をくださった掛川市様、会場にお越しくださった皆様、本当にありがとうございました。