<<前回のお話はこちら
「パートだし、どこかあるだろう」と軽く考えていた過去の自分に反省する、主人公・さくら。
なかなか就活は上手くいかず、ひたすら履歴書を書き面接を受けることの繰り返しに疲れたさくらは、高校時代からの親友・紗季に久しぶりに電話してみることに。
働き場のないさくらにとって、フルタイムで働く紗季は“とても眩しく羨ましい存在”でしたが、紗季は紗季なりの悩みもあるようで・・・。
産休・育休から復帰して仕事を続けているものの、子どもが小さい時は時短正社員としての短時間勤務。
そのうえに子どもの急な体調不良で呼び出されたり、学校行事でお休みをもらうことも多々あるなかで、段々と責任のある仕事を任せてもらえない状況に―。
悪い言い方をすると雑用係のようで・・・別にこれ、私じゃなくてもできるのでは?という仕事ばかり振られる現状への焦りに加えて、もともとは部下だったメンバーが上司になったり、自分よりもできていない人がどんどん昇給していく―そんなやり切れない思いを感じていたのでした。
※この物語はフィクションです。
>>5話はこちら
時短ママあるある!?育休から復帰後に同じように悩む人も!
第4話となる今回は、さくらの親友・紗季にフォーカスしたお話し。
紗季は、産休・育休を取得後に時短正社員として職場復帰をし、現在はフルタイムで働くワーママです。
時短正社員としての勤務が認められるのは子どもの年齢が3歳まで、5歳まで、小学校卒業まで、のように会社によって制度が異なります。子どもが小さい時期は、急な熱や体調不良で園から呼び出されたり、病院に連れて行ったり、何かと突発的な遅刻・早退・お休みも多いもの。時短正社員や正社員といった働き方に限らず、ワーママあるあるですよね。
そして、悲しいことに、紗季と同じような悩みを抱えるママの声があるのも事実です。
時短正社員と正社員は何が違う?
次に、時短正社員と正社員との違いを比較してみましょう。
時短正社員とは、育児介護休業法で定められている「育児短時間勤務」を活用した働き方で、3歳に満たない子どもを養育する労働者が利用できる勤務制度です。
制度上は原則6時間勤務ですが、会社によって5時間や6.5時間などさまざまです。また、子どもの年齢についても、事業主は3歳以降も両立できるよう支援する“努力義務”があるため、小学校就学前、小学校卒業までなど、期間も企業によって異なります。
勤務時間
<時短正社員の勤務例>
通常:9:00~18:00 → 時短:9:00~16:30 (6.5h勤務)
通常:9:30~18:30 → 時短:10:00~16:00 (5h勤務)+時差出勤
給与
基本的には「時短正社員=給与の何割減」という決め方ではなく、同じ会社で時短勤務と言っても、人によって時間帯は異なる場合があるので勤務時間によって割り出すのが一般的と言えます。
<1日6hの時短勤務にした場合の例>
■元々(正社員勤務時)の給与:24万円
→24万円×6h(時短での勤務時間)÷8h(フルタイムでの勤務時間)=18万円
■元々(正社員勤務時)の給与:24万円/残業手当20時間分込み
→24万円×6h(時短での勤務時間)÷9h(フルタイムでの勤務時間)=16万円
※上記のように、給与に残業手当が含まれている場合、含まれていた残業時間分の1日当たりの時間を、フルタイムでの勤務時間に追加して計算することになります。
賞与
支給のルールは企業によりますが、時短正社員で復職した際にそもそもの給与レンジが異なる場合もあります。
また、年間の賞与額が給与の2ヶ月分、3ヶ月分だとした場合、ベースとなる月給が異なるので、ボーナスが多ければ多い程、影響する金額が大きくなります。
このようなことから、時短正社員としてメリットも当然あるものの、年収が下がるという点は理解したうえで、自分のいる会社はどうなのか、いくら違いが出るのかなど一度計算してみることをおすすめします。
「マミートラック」って何のこと?
紗季が抜け出せない、と言っていた「マミートラック」とは何のことかご存知でしょうか?
マミー(Mammy)は、ママ。トラック(Track)は、陸上競技が行われるグラウンドの周回走路。
トラック競技のグラウンドは、400m、1600mなど、競技によってゴールが決められているので、グラウンド自体は、明確なゴールエリアがなく、ずっと走り続けられるような仕様=周回走路になっています。
マミートラックは、自分で目標を決めないと、いつまでたっても同じところを走り続けるということを指しており、変化も終わりもないままに、ひたすら走り続けるから先が見えなくて辛くなってしまう状態です。
育休からの職場復帰で気をつけたい2つの心構えと4つの準備
20代~40代女性を中心に就職活動等のサポートを行っている、キャリアコンサルタントの橋谷先生の記事より、一部ご紹介したいと思います。
育休から復帰するときの2つの心構え
①今までと全く一緒にこだわらないこと
②完璧を目指さないこと
まず「①今までと全く一緒にこだわらないこと」について、育休前と全く一緒の状態で働くことができなくても、それはあなた自身のせいではありません。
新しい人が入ってきたり、仕事のやり方が変わったり、担当が変わったりというのは、どこの職場でもあります。毎日働いているときは、その変化の中に自分もいるので変わったことに気付きにくかっただけで、しばらくお休みをいただいて出勤すると、その変化に気付きやすくなっているはずです。
自分が知っていた頃と違う人がいて、違うやり方をしていて当然なのです。そういった外的要因もたくさんあることを忘れないでください。