<<前回のお話はこちら
主人公・さくらの高校時代からの親友・紗季は、フルタイムで働くワーママ。
前回のお話しでは紗季のワーママならではの苦悩が見えましたが……
今回は、そんな紗季を支える、近くに住む実母の恵美子(65歳)の本音がー。
恵美子は、忙しく働く娘・紗季に代わり、孫の保育園のお迎えを担当する毎日。
パートとは言え、自身も週4~5日働いているなかでの日々のお迎えは、60代の恵美子にとっては“体力勝負”です。
紗季がどうしても行けない時は、保育園からの急な呼び出しにもパートを早退して迎えに行くなど、全力でサポートをしている状況。
「孫は可愛い」と思う反面、
体力的にもきつい、感謝の言葉もない、パート先にも迷惑を掛けている、
そんな状況からか最近多いという「孫疲れ」に陥ってしまっているのでした。
※この物語はフィクションです。
>>6話はこちら
祖父母あるある!?「孫疲れ」「孫ブルー」とは?
第5話となる今回は、さくらの親友・紗季を支える実母・恵美子のお話し。
フルタイムで働く紗季を支えるために、自身もパートをしながら毎日の保育園のお迎えを担当する恵美子ですが、まさに“孫疲れ”の様子が…。
最近よく耳にするようになった「孫疲れ」「孫ブルー」という言葉。
これは、祖父母が孫の面倒を見ることに疲れを感じていること、“マリッジブルー”のように嬉しい気持ちもある反面、なぜかブルーに感じてしまうことを指しています。
その原因としては、次のような問題があるようです。
●体力的な問題
●時間的な問題
●金銭的な問題
●精神的な問題
「孫疲れ」「孫ブルー」の背景とは?
ひと昔前までは、「孫は目に入れても痛くない」「孫の面倒を見ることが生きがい」という祖父母も多かったでしょう。
ただ、近年このような「孫疲れ」「孫ブルー」を感じる祖父母が増えているのには、さまざまな要因が考えられます。
●晩婚化、高齢出産による祖父母世代の高齢化(体力的な問題)
昔に比べて男女ともに初婚年齢が上がっているのは周知の事実ですが、女性が第一子を出産する年齢も上がり続けています。晩婚化、高齢出産によって、その分同じように歳を重ねている祖父母の年齢も上がっています。
50代では率先して孫の面倒を見たい気持ちと体力があっても、60代、70代の祖父母にとって気持ちはあっても体力面でかなり辛いと感じるでしょう。
●定年年齢の引き上げ(時間的、体力的な問題)
年金の支給開始年齢が65歳に引き上げられたことに伴い、企業の定年年齢も65歳、70歳など引き上げられています。孫を持つ祖父母たちも、まだまだ現役で働いていることも少なくないために、単純に孫の面倒を見る時間も体力もない、という人が増えているようです。
●年金額の低下(金銭的な問題)
孫が遊びに来るとなると食事の用意や外食にかかる費用だけでなく、おもちゃを買ってあげる、お小遣いをあげるなど、どうしても出費が増えるもの。「年に何回も来られるのはちょっと…」という声も―。
徐々にですが年々下がり続けている年金額に加えて、銀行の金利も昔のような利率はなく、物価も消費税も上がり続けている状況。また、老後資金に2000万円必要とも言われる時代なので、自分たちの家計をやりくりするので精一杯、というのが祖父母の本音かもしれません。
●嫁(娘)に対して気を遣う(精神的な問題)
実母の場合はそこまで娘に気を遣うことは少ないかもしれませんが、義娘に対しては
「勝手に甘い物とかお菓子を与えてはいけない」
「テレビやゲームばかりさせてしまったら怒られるかも」
「教育方針を否定しないように言葉に気を付けなきゃ」
など色々な面で気を遣うため、どっと疲れるという意見も多いようです。
●自身の子育て経験を活かせない(精神的な問題)
祖父母が子育てをしていた当時は“常識”だったことが、最近の子育ての常識と変わってしまっていて、どうしていいかわからない…と困惑する祖父母も―。
良かれと思ってやったつもりが娘に怒られてしまった、という経験をした人も多いかもしれませんね。
●当たり前だと思われている(精神的、金銭的な問題)
「可愛い孫と一緒に居られて嬉しいでしょ」
「おばあちゃん(おじいちゃん)としての幸せよね」
「誕生日プレゼント以外でも、子供服やおもちゃを買ってもらって当然」
といった態度をとられていると感じ、納得がいかないと感じている祖父母も多いようです。
「親しき中にも礼儀あり」という言葉があるように、実の親とは言っても、家庭を持つ身としてきちんとお礼をすることが必要でしょう。
STOP孫疲れ!“ヘルプシーキング”から学ぶ上手な頼り方
せっかく親が近くにいるなら、上手く頼っていきたいのが娘側(ママたち)の本音ではないでしょうか。
今、育児期の女性に関連して注目されている「ヘルプシーキング」をご存知ですか?
「ヘルプシーキング」とは、周囲に援助や支援を求める行動のことを指します。
この“支援を求める行動”自体は、とても大切で、自分で抱え込むよりも良い結果に繋がったり、良い関係性を築けたりとプラスにもなります。ただ、それには上手に支援を求める必要があるのです。