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これだけは知っておきたい食材選びのポイント:肉類編

こんにちは!
前回お話させていただきました農産物編に続いて、今回はお肉全般に共通する食材選びのチェックポイントをお伝えしたいと思います。

目次

実は隠されている!?消費者にとって大切な情報表示

スーパーで生鮮食肉を買うとき、①産地、②消費期限、③食の安全性の表示について、皆さんはどこまで気にしていらっしゃいますか?

①産地の表示について
「やはり国産の方が、値段は高くても、おいしくて、安全だ」とお考えになる方も多いのではないかと思います。

けれども産地は、例えば海外で生まれた家畜でも、食肉として出荷できるようになるまで日本で飼育・加工された期間のほうが長くなれば「国産」として表示できます。(例:中国で5ヶ月、アメリカで9ヶ月、日本で10ヶ月の場合→日本が一番長いので「国産」と表示される)
これに対して、純粋に国内で飼育、加工された食肉には「国内産」という表記が許されています。

②消費期限の表示について
例えば豚肉や牛肉は、食肉として加工される施設で処理されてから、スーパーに陳列されるまでの期間に多少の日数差があったとしても、部位別にスライスやカットされた肉が「パックされた」時点で消費期限が決まります。

豚肉や牛肉はパックされてから3日程度を消費期限にすることになっていますが、食肉にするまでの処理の日数は、施設や業者等によって異なるでしょうから、消費期限も分かりにくいと感じますね。

③食の安全性に関する表示について
パックに表示されていない飼育環境や、飼料の安全性、家畜の病気や疾病の発生を防ぐための動物用医薬品や、成長ホルモンや抗生物質の投薬状況などは、やはり気になります。

残留農薬を少なくするためにポストハーベストフリー(PHF)飼料を使用したり、非遺伝子組み替え飼料を与えたり、より自然な状態で飼育している畜産農家もたくさんあります。

できる限り、上記のように、投薬状況を含めた、安全性に関する情報が開示されている商品を選ぶことをおすすめします。

最近では、自然食料品店、一部の生協、スーパーなどでも、消費者の手元に届くまでの期間を開示している場合もありますし、生産農家さんのホームページなどで確認できる場合もありますので、ぜひ一度、なるべく多くの情報が開示されている商品を見つけてみてはいかがでしょうか?

それでは具体的に牛肉、豚肉、鶏肉の選び方のポイントをお伝えしたいと思います。

牛肉の選び方

個体識別番号をチェックされたことはありますか?

牛トレーサビリティー法(2003年)により、牛が出生した段階で10ケタの個体識別番号をつけ、品種、生年月日、生育地、処理の年月日などを記録する「個体識別番号」(※1)の登録が義務づけられ、「その牛は、どこで生まれて、どこで育ったのか」を確認できるようになっています。海外で育った期間があるかどうか、日本国内でもどこの地域で育ったのかまで確認できます。

(※1)参考:独立行政法人 家畜改良センター「牛の個体識別情報検索サービス」

各国を巡った牛であっても日本で飼育した期間が一番長ければ「国産牛」と表示され、「黒毛和牛」「褐毛和牛」「無角和牛」「日本短角種」の4品種だけが「和牛」として表示されます。

また、和牛種と交配している「交雑種」も多く、リーズナブルで味も美味しいと評価が向上しているようです。こうした情報をぜひ上手に活用してくださいね!

ちなみに、高級感のある柔らかくて脂ののった「霜降り肉」・・・人気ありますよね。美味しそうに見えますが、単純に「脂肪過多の不健康な肥満状態のお肉」を食べていることになります。脂肪には有害物資が蓄積されやすいので、脂身の多いお肉ばかりを好んでしまう方は要注意です。より自然な環境で、牧草中心で育った牛は、脂肪の少ない赤身系の肉質になります。

豚肉の選び方

現在日本国内で飼育されている豚の品種をご存知でしょうか?

私たちの食卓に並ぶ豚肉のほとんどは、ランドレース種(L)、大ヨークシャー種(W)、デュロック種(D)、バークシャー種(B)、ハンプシャー種(H)、中ヨークシャー種(Y)など、いくつかの品種の豚を交配させて生産された「雑種」になります。

ちなみに、日本で雑種ではない純粋な豚といえば、バークシャー種の「黒豚」です。

そして最も多く流通している「三元豚」は、異なる3種の豚の掛け合わせにより、各々の優れた性質(多産の白豚系×肉質の良い茶豚系×脂が良質で味の良い黒豚系)が生かされた豚肉になります。

「四元豚」「五元豚」といったものもありますが、単純に交配が多ければ良いというわけではありません。食味がよくなる品種(黒豚系や茶豚系)をどれだけ生かせているかどうかがポイントになっています。

そして交配させている品種がたとえ同じ三元豚であっても、育てられた環境や餌によっても食味や品質に違いが出てきますので、脂身に臭みがなく、良質な甘みを感じられる豚肉を選ぶことをおすすめします。

また、「SPF」と表示された豚肉を見たことはありませんか?これは豚がかかりやすい5種類の病原菌を持たないように、殺菌された飼育環境で育った豚を指す表示です。そのため、抗菌性物質を使う必要がなくなることに関しては安心に繋がりますが、豚の品種や肉質が必ずしも良質であるということではありません。

鶏肉の選び方

鶏肉は「ブロイラー」「地鶏」「銘柄鶏」の3つの分類に分けられています。

「ブロイラー」とは
一般的に最も多く流通しているのがこのブロイラーと呼ばれる鶏肉で、短期生産を目的として過密状態で飼われ、運動不足状態で餌を食べ続けるため、肉質が柔らかくなるのが特徴です。

ただし、病気の発生率が高くなるため、抗菌性物質などの薬剤を混ぜたエサを与える「投薬飼育」により生産されています。

「地鶏」とは
地鶏は、規格基準がJAS法で決められています。短期大量生産されるブロイラーに比べて、より自然に近い方法で大切に管理された中で飼育され、飼育期間も長いため、抗菌生物質を使う必要が少なく、身の締まりがあり味が濃いのが特徴です。

しかし、地鶏は生産量じたいが少ないため、どうしても価格が高くなってしまいます。

「銘柄鶏」とは
生産者が独自で飼料や飼育期間を工夫しながらこだわって育てた食鶏が「銘柄鶏」です。銘柄鶏には特に定義がないので、より明確な情報開示のあるものを選ぶと良いでしょう。

こうして比較してみると、地鶏を選びたいところですが、なかなかそうはいかないこともあります。不安なときは「脂肪部分」を取り除いて調理することをお勧めします。抗菌性物質などの不安物質は脂肪部分に残留しやすいと言われているからです。

また余分な脂肪を落とせる「蒸し調理」もお勧めです。

まとめ

自然な環境の中で健康に育てられた産地が明確な国産の肉がお勧めです。

私たち人間もストレスの抱え方によって身体の細胞の質が変わり、健康状態に影響してくるのと同じで、牛や豚などの家畜もストレスの有無で肉質が変わります。

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